汗をかくと服が臭くなる原因と対策|雨の多い時期の洗濯・乾燥のコツ

雨の日の室内で、Tシャツとシャツを間隔を空けて干し、サーキュレーターで風を当てている衣類乾燥のイラスト お金・暮らし
汗をかいた衣類は、洗濯後に風を当てて短時間で完全に乾かすことが、におい対策の基本です。

雨の多い時期になると、すれ違ったときに「服が少しにおうかも」と感じる場面が増える気がします。もちろん、その人が不潔という話ではありません。自分も仕事着など洗濯しても洗濯物によっては匂う服があり周りの人の目が(むしろ鼻が)気になってしまいます。湿度が高い季節は洗濯物が乾きにくく、汗をかいた服も湿った状態が長く続きます。自分自身についても、「仕事中に汗をかいた後、服が乾きかけるとにおっていないだろうか」と気になる人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、汗をかくと服がにおう理由と、雨の日や部屋干しでも実践しやすい対策を調べてまとめました。洗濯しているのににおいが戻る服、汗をかいた後にだけ気になる作業着やTシャツの対策にも使える内容です。

1. 結論:汗そのものではなく、汗や皮脂などの成分と微生物の働きで衣類のにおいが生じやすい

汗や皮脂が衣類に残り、細菌の働きでにおい成分が生まれる流れを示したイラスト
汗・皮脂が衣類に残り、細菌の働きでにおい成分が生まれる流れ。

まず知っておきたいのは、できたばかりの汗は、通常それ自体では強いにおいを持たないということです。汗や皮脂などに含まれる成分が皮膚から衣類へ移ると、皮膚や衣類に存在する微生物がそれらを変化させ、揮発性脂肪酸などのにおい成分が生じることがあります。特に、汗や皮脂が衣類に残り、湿った状態が続くと、においが目立ちやすくなります。[1]

つまり、「汗をかいた=すぐに臭う」という単純な関係ではありません。汗や皮脂などの成分が衣類に残ったか、微生物が働きやすい湿潤状態が続いたか、衣類ににおい成分が保持されているかなどが重なって、においを感じやすくなります。入浴して体を清潔にしていても、服の繊維に残った皮脂やにおい成分が関係することがあります。

2. なぜ、汗をかいた服が乾きかけるとにおうのか

汗で湿ったTシャツで細菌が活動し、においが目立つまでの流れを示したイラスト
湿った衣類は、においが目立ちやすい状態になりやすいです。

汗をかいた服が少し乾いてくるタイミングでにおいが気になる場合は、服に残った汚れやにおい成分、微生物、湿気などが重なっていることがあります。汗で衣類が湿ると、においに関わる微生物が働きやすい条件になり、残った成分によってにおいが目立ちやすくなることがあります。体温で服が温まることも、においを感じやすくする一因です。

洗濯後の衣類に生じる、汗っぽい・雑巾のような不快臭については、4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)という成分が関わることが知られています。Kubotaらの研究では、洗濯後もにおいが残る衣類から、モラクセラ属の一種Moraxella osloensisが高頻度に分離され、この菌が4M3Hを生じさせる能力を示しました。また、同菌は実験条件下で乾燥や紫外線に比較的耐え、乾燥後の衣類にも生き残り得ました。ただし、においの強さや原因となる微生物は、衣類の汚れ、洗濯条件、乾燥条件などによって異なります。乾いた衣類でも、残った成分や微生物の影響で、汗などで再び湿ったときににおいが目立つ可能性があります。[2]

においが出やすい場面起きやすいことまずやる対策
汗をかいた作業着を夜まで放置する湿った状態が続き、においに関わる微生物が増殖しやすい条件になり得る洗えないときも、洗濯かごではなく風通しのよい場所に広げる
洗濯後に洗濯機の中へ放置する湿気がこもり、においが目立ちやすい条件になり得る脱水が終わったら、できるだけ早く干す
部屋干しで乾くまで時間がかかる湿った時間が長く、においに関わる微生物が増殖しやすい条件になり得る衣類の間隔を空け、風を当てて短時間で乾かす
洗っても、汗をかくと同じ服だけにおう繊維に皮脂汚れやにおい成分が残っている可能性洗濯表示を確認し、温水洗いまたは酸素系漂白剤でつけ置きを検討する

3. 雨の多い時期ににおいが強くなりやすい理由

雨の日の室内干しで、湿度と乾きにくさをサーキュレーターと除湿機で補うイラスト
湿度が高い時期は、風を当てて短時間で乾かすことが大切です。

梅雨や雨の日は、空気中の湿度が高く、洗濯物から水分が抜けにくくなります。湿った状態が続くと、においに関わる微生物が増殖しやすい条件になり得ます。また、汗をかいた服を洗濯かごや車内など、風の通らない場所に入れたままにすることも同じ理由で不利です。[3]

ここで大事なのは、晴れているかどうかよりも、短時間でしっかり乾かせるかです。室内でも除湿機、エアコンの除湿、サーキュレーターや扇風機を使って空気を動かせば、乾燥時間を短くできます。衣類同士の間隔を空け、厚手と薄手を交互に干すだけでも風が通りやすくなります。[4]

4. 今日からできる、においを防ぐ5つの対策

汗臭や生乾き臭を防ぐ5つの衣類ケア対策を示したイラスト
湿気を逃がす、すぐ干す、洗剤を適量にするなど、においを防ぐ5つの対策。

対策1:汗をかいた服は、まず湿気を逃がす

帰宅後にすぐ洗えないときは、汗をかいた服を丸めて洗濯かごやバッグへ入れっぱなしにしないことが大切です。ハンガーに掛けるか、広げて風を通してから洗濯へ回します。特に肌着、靴下、タオル、スポーツウェアは、湿ったまま重ねないようにしたいところです。

対策2:洗濯後はすぐ干し、風を当てて完全に乾かす

脱水後はできるだけ早く干し、衣類表示に従って乾いた状態まで仕上げることが、におい対策の基本です。部屋干しでは、除湿機やエアコンの除湿を使い、サーキュレーターを衣類の下側から当てると、湿った時間を短くする助けになります。乾いたつもりでも脇やポケット、厚手の襟元が湿っていることがあるため、触って確認する習慣をつけると安心です。

対策3:洗剤・柔軟剤は「多ければよい」わけではない

においが気になるからと、洗剤や柔軟剤を多く入れる必要はありません。洗剤は洗濯物の量と汚れに合わせて表示どおりに使い、柔軟剤も適量にします。すすぎで落としきれず成分が繊維に残る場合があり、においや吸水性の低下につながることがあります。洗濯槽に洗濯物を詰め込みすぎないことも、洗浄とすすぎの不足を防ぐ基本です。[4]

対策4:同じ服だけにおうなら、つけ置き洗いを試す

洗った直後は平気でも、汗をかくと毎回におう服は、繊維の奥に皮脂汚れやにおい成分が残っているかもしれません。衣類の洗濯表示と洗剤・漂白剤の使用表示を確認したうえで、衣類用の酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いを検討します。温水洗いも、衣類表示と洗濯機の仕様に適合する場合に検討できる洗浄条件の一つです。ただし、これらで消臭が保証されるわけではありません。色落ちや素材の傷み、薬剤の混用に注意し、製品表示に従ってください。[3]

対策5:洗濯槽も定期的に手入れする

洗濯槽に汚れやカビが残ると、衣類のにおいに関わる要因の一つになることがあります。衣類を洗濯機内にため込まないことに加えて、洗濯後はふたを開け、機種の説明書に従って槽内を乾かします。槽の手入れは、取扱説明書で指定された方法・頻度に従い、必要に応じて専用クリーナーなどを使いましょう。[4]

5. 仕事中・外出中に汗をかいたときの応急策

替えの肌着、風通し、通気性のある袋を使う外出中の衣類ケアを示したイラスト
出先では替えの肌着と風通しを意識すると、湿った状態を引きずりにくくなります。

長時間の運転、屋外作業、運動などで汗をかく日は、服を一度湿らせないことよりも、湿った状態を引きずらないことが大切です。吸汗性のある肌着を1枚入れておき、汗をかいたら肌着だけでも替える。替えられない場合は、休憩時に上着を脱いで風を通す。こうした工夫で、湿った状態を引きずりにくくなります。

濡れた衣類を車内やバッグの中へ密閉して持ち帰ると、帰宅する頃にはにおいが目立ちやすい条件になり得ます。帰宅後はすぐに洗うか干しておくのが基本です。すぐに洗えない場合に通気性のある袋へ分けて入れる方法は、湿った衣類を密閉し続けないための実用上の工夫であり、におい防止の効果を保証するものではありません。

6. 服ではなく、体の変化が気になるとき

服のにおいだけでは説明しにくい変化が気になるときに、医療者へ相談する様子を示したイラスト
清潔な服でも強いにおいが続くなど、心配な変化があるときは医療機関へ相談を。

この記事で扱ったのは、主に衣類に残る汗・皮脂・湿気によるにおいです。ただし、清潔な服に替え、洗濯や乾燥を見直しても、体臭が急に変わった状態や強いにおいが続く場合、または汗の量が急に増えた場合は、衣類だけが原因とは限りません。薬や感染症、糖尿病などの病気が体臭や発汗に影響することもあるため、気になる変化が続くときは、まず医療機関(皮膚科・内科など)に相談してください。果物のようなにおい、漂白剤のようなにおい、強い体調不良を伴う場合は、早めに受診してください。[5]

最後に

汗をかいた服を放置しない、すぐ干す、風を当てて完全に乾かすという3つの基本を示したイラスト
服のにおい対策は、放置しない・すぐ干す・風を当てて完全に乾かすことから。

雨の多い時期に気になる服のにおいは、汗をかくこと自体が悪いのではなく、汗・皮脂・湿気が服の中に長く残ることで起こりやすくなります。汗をかいた服を放置しない、洗濯後はすぐ干す、風を当てて完全に乾かす。 まずはこの3つから始めてみてください。

「自分がにおうかも」と不安になるよりも、服のケアを少し変えて、気持ちよく過ごせる状態を作っていくことが大切です。じめじめした季節こそ、洗濯と乾燥の習慣を見直していきましょう。

参考にした情報

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