【労災データで判明】トラック運転手の怪我は運転中より荷役中が7割!膝を守る予防策とは

トラック運転手の労災防止アイキャッチ(ウイング車+はしご昇降) 仕事

こんにちは。ひろにこです。

トレーラーに乗り始めて16年目。毎日、朝4時に家を出て夜まで走り回っていますが、ふと「自分たちドライバーって、どれくらい危険と隣り合わせなんだろう?」と考えることがあります。

実は先日、トラック業界の労災データ(2025年確定値)をじっくり見る機会がありました。そこには、普段なんとなく感じていた「危なさ」が、はっきりと数字になって表れていました。正直、ここまでとは思っていなかったので驚きました。

一番衝撃を受けたのは、「運転中の事故よりも、荷役作業中の事故の方が圧倒的に多い」という事実です。世間一般の人は「トラック運転手=交通事故が怖い」というイメージだと思いますが、実際に自分たちの体を壊しているのは、トラックを止めた後の作業なんです。

今回は、現役ドライバーとして知っておくべき労災データと、自分自身の体の変化(特に膝!)について、リアルな実体験を交えながらお話ししたいと思います。明日は我が身。ぜひ最後まで読んで、日々の安全確認の参考にしてみてください。

数字で見るトラック業界の労災(2025年確定値)

まずは、陸上貨物運送事業における最新の労災データ(2025年確定値)を見てみましょう。

  • 死亡者数:80人(前年比25.9%減)
  • 死傷者数:年間約16,000件前後

死亡者数が前年より大きく減ったのは本当に良いニュースです。業界全体で安全意識が高まっている証拠だと思います。しかし、死傷者数は依然として年間約16,000件前後と高い水準で推移しています。

1日に換算すると、毎日40人以上のドライバーがどこかで怪我をしている計算になります。自分の周りでも「腰をやった」「足首をひねった」という話はしょっちゅう聞きますが、全国規模で見ると本当に多いですよね。

そして、ここからが衝撃的な事実です。この死傷事故の約7割が「荷役作業時」に発生しているんです。

トラック運転手というと、交通事故(運転中の事故)をイメージしがちですが、実際には「トラックを止めて、荷物を積んだり降ろしたりしている時」の方が圧倒的に危険なんです。運転中の事故は全体の2〜3割程度で、残りの7割は荷役作業中に起きています。この事実、意外と知らないドライバーも多いんじゃないでしょうか。

事故の型別ランキング:不動のトップ3

では、具体的にどんな事故が多いのでしょうか?事故の型別ランキングを見てみると、上位3つで全体の約6割を占めています。しかも、この順位は過去5年以上変わっていません。毎年同じパターンで怪我をしている人がいるということは、裏を返せば「対策すれば防げる」ということでもあります。

第1位:墜落・転落(約27〜29%)

堂々の(と言っていいのか分かりませんが)第1位は「墜落・転落」です。全体の約3割を占めるダントツのトップです。そして、その大半が「荷台からの転落」です。

具体的にはこんなケースが多いようです。

  • 面倒くさがって荷台から直接飛び降りた → 着地に失敗して足首骨折
  • 雨の日に荷台やステップが滑って足を踏み外した → 背中から落下
  • あおりに足をかけて降りようとしてバランスを崩した → 地面に叩きつけられる
  • シート掛け作業中に足を滑らせて転落した → 頭部を打撲
  • 荷台の端で方向転換しようとして踏み外した → 腰を強打
荷台から降りるドライバー

自分も若い頃は、時間短縮のために荷台からピョンピョン飛び降りていました。18歳で業界に入った時なんて、先輩から「はやく降りろ!」と急かされて、何も考えずに飛び降りるのが当たり前でした。今思えば、本当に危ないことをしていたとゾッとします。

大型トラックの荷台は地上から1.2m〜1.4mほどの高さがあります。トレーラーだとさらに高い場合もあります。そこから無防備に落ちれば、骨折などの大怪我につながるのは当然ですよね。しかも荷物を持っていたり、手袋が滑ったりすると、受け身すら取れません。

第2位:動作の反動・無理な動作(約15%)

第2位は「動作の反動・無理な動作」です。要するに、「腰痛」や「膝痛」などの体の痛みです。

重い荷物を無理な体勢で持ち上げたり、長時間同じ姿勢で運転した後に急に動いたりすることで発生します。これは「ある日突然」というよりは、日々のダメージが蓄積して限界を超えるパターンが多いですね。

特にトレーラーの場合、荷物の固定作業(ラッシングベルトの締め付けなど)で腰に負担がかかることが多いです。ベルトを引っ張る動作って、地味に腰に来るんですよ。それを1日に何十回も繰り返すわけですから、腰を壊す人が多いのも納得です。

第3位:転倒(約15%)

第3位は「転倒」です。荷物を持ったまま段差につまずいたり、滑りやすい床で転んだりするケースです。

荷物を持っていると足元が見えにくく、受け身も取れないため、顔面や頭を打つ危険性もあります。冬場の凍結した路面や、雨で濡れた倉庫の床は本当に危ないです。自分も冬場にトレーラーのステップが凍っていて、危うく転落しそうになったことがあります。

この上位3つだけで全体の約6割。つまり、「荷台からの転落」「腰や膝への無理な負荷」「足元の転倒」に気をつけるだけで、労災事故の6割は防げる可能性があるということです。

実体験:蓄積する「膝」へのダメージ

さて、ここからは少し個人的な話をさせてください。

34歳、業界16年目。週4回は自重筋トレをしていて、体力には自信がある方です。身長184cm、体重83kg。体は動く方だと思っています。でも最近、「膝」に違和感を感じるようになってきました。

痛みというほどではないんですが、しゃがんだり膝を深く曲げたりすると、「パキッ」「ミシッ」と音が鳴ることがあるんです。数年前から時々鳴っていたんですが、最近その頻度が増えてきた気がして、正直少し不安になっています。

原因は明らかです。「高い運転席や荷台からの乗り降り」です。

大型トラックやトレーラーの運転席は高く、納品先の荷下ろし、次の積み込み、PAでの休憩など1日に多ければ十数回も運転席を乗り降りすることもあるので自然と膝に負担がかかってると思います。

特に問題なのが「降りる時」です。ステップを使わずに飛び降りたり、勢いよく着地したりすると、体重の3〜5倍の衝撃が膝にかかると言われています。

自分の体重が約83kgなので、飛び降りた時には約250kg〜400kg近い衝撃が膝の関節や軟骨にズドン!と加わっている計算になります。これを1日に何十回、1年で数千回、10年で数万回と繰り返せば……そりゃあ軟骨もすり減りますよね。

実際、10年以上この仕事を続けているドライバーの中には、膝の軟骨がすり減って手術が必要になった人もいます。自分の先輩にも「膝が痛くて正座ができない」という人が何人かいます。自分はまだ「違和感」の段階ですが、このまま放置すれば同じ道をたどる可能性が高いと感じています。

ストレッチするドライバー

若い頃は筋肉でカバーできていた衝撃も、30代半ばになると確実に関節へのダメージとして蓄積されているのを感じます。「飛び降り」は、将来の自分の膝を前借りして削っているようなものだと痛感しています。20代の頃の自分に「今すぐやめろ」と言いたいですね。

なぜ「はしご」が必須になったのか?

最近、納品先の工場や倉庫で「荷台に上がる時は必ずはしごを使ってください」「指定の昇降設備以外からの乗り降りは禁止です」と厳しく言われることが増えましたよね。中には「はしごを使わなかったら出入り禁止」という現場もあります。

正直、最初は「面倒くさいな」「時間がかかるな」と思っていました。でも、これには明確な背景があります。

先ほど見たように、労災事故のトップが「荷台からの転落」だからです。荷主(工場や倉庫の管理者)としても、自分の敷地内でドライバーに怪我をされるのは絶対に避けたいわけです。労災事故が起きれば、作業が止まるだけでなく、安全管理体制の責任を問われる可能性もあります。場合によっては労基署の調査が入ることもあるので、荷主側も必死なんです。

さらに、厚生労働省や労働基準監督署からも、トラックの荷役作業における安全対策(昇降設備の設置やヘルメットの着用など)の指導が年々厳しくなっています。「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」では、荷台への昇降にはしごや昇降設備の使用が明確に推奨されています。

だからこそ、荷主側も「ルールを守れないトラックは出入り禁止」という厳しい態度を取るようになっているんです。これは嫌がらせではなく、お互いの安全を守るための仕組みだと理解するようになりました。

はしごを使って昇降する場面

自分の膝の違和感や労災データを知った今では、「はしごを使えと言ってくれるのは、自分たちの体を守るためなんだ」と素直に思えるようになりました。むしろ感謝すべきことかもしれません。

今日からできる!体を守る4つの予防策

最後に、自分が日常的に気をつけている、体を守るための具体的な予防策を4つ紹介します。どれも特別な道具や費用は必要なく、意識するだけで今日から実践できるものばかりです。

① 飛び降りは絶対に禁止!ステップを使う

これが一番重要です。運転席からも、荷台からも、絶対に飛び降りない。面倒でも必ずステップやはしごを使って、一番下の段まで足をかけてから降りるようにしています。

「たった数秒の短縮」のために膝を壊すのは割に合いません。自分は若い頃に散々飛び降りてきたので、今になってそのツケが来ていると感じています。若いドライバーには「今のうちからやめておけ」と本気で伝えたいです。

② 昇降時は「3点支持」を徹底する

乗り降りする時は、常に「両手と片足」または「片手と両足」の3点が車体(手すりやステップ)に触れている状態をキープする「3点支持」を意識しています。

これだけで、万が一足を滑らせても転落を防ぐことができます。特に雨の日や冬場の凍結時は、ステップが滑りやすくなるので、3点支持が命綱になります。荷物を持ったまま片手で降りようとするのは絶対にNGです。荷物は先に降ろすか、後から取りに行くようにしましょう。

③ 着地は「両足」で柔らかく

どうしても少し高さがある場所から降りる時は、片足に体重を集中させず、両足で同時に着地するようにしています。そして、着地の瞬間に膝を軽く曲げてクッションにし、衝撃を逃がすように意識しています。

片足着地だと、その片方の膝に全体重+落下の衝撃が集中してしまいます。両足で着地すれば衝撃は半分に分散されますし、膝を曲げることでさらに衝撃を吸収できます。ほんの少しの意識の違いですが、10年後の膝の状態に大きな差が出ると思っています。

④ こまめなストレッチで筋肉をほぐす

長時間同じ姿勢で運転した後は、筋肉が固まっています。そのまま急に動くと腰や膝を痛めやすいので、荷役作業の前には必ず軽いストレッチをしています。

特に意識しているのは以下の部位です。

  • 太ももの前側(大腿四頭筋):膝を支える最重要筋肉。片足立ちで足首を持って後ろに引く
  • 太ももの裏側(ハムストリングス):前屈で伸ばす。腰痛予防にも効果的
  • ふくらはぎ:壁に手をついてアキレス腱を伸ばす。着地時の衝撃吸収に重要
  • 股関節周り:足を大きく開いて腰を落とす。乗り降りの動作がスムーズになる

たった2〜3分のストレッチですが、これをやるかやらないかで体の動きが全然違います。特に冬場は筋肉が冷えて固まりやすいので、必ず体を動かしてから作業に入るようにしています。

まとめ:自分の体は自分で守る

トラック運転手の仕事は、運転技術だけでなく「自分の体をどう管理するか」が長く続けるための鍵になります。

今回紹介した労災データをまとめると、以下の通りです。

  • 陸上貨物運送事業の死傷者数は年間約16,000件(2025年確定値)
  • 死傷事故の約7割が荷役作業中に発生
  • 事故の型トップ3は「転落」「無理な動作」「転倒」で全体の約6割
  • 荷台からの転落が最多で、飛び降りが主な原因
  • 膝への蓄積ダメージは10年以上で深刻化する

自分自身、34歳にして膝に違和感を感じ始めています。まだ「痛み」ではなく「違和感」の段階ですが、これ以上悪化させないために、今できることを確実にやっていきたいと思っています。

「たった数秒の短縮」のために、一生付き合っていく自分の体を壊してしまっては元も子もありません。はしごを使う、3点支持を守る、飛び降りない、ストレッチをする。どれも地味なことですが、10年後、20年後の自分の体を守るための投資だと思って続けています。

今日も一日、安全第一で。焦らず、自分の体を大切にしながら仕事を頑張りましょう!

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